『Unto The End』レビュー:「難しさ」が楽しさにつながらないもどかしさ 

 今回取り上げる『Unto The End』は、インディー系のサイドビューアクション。

 「高難度」をウリにした作品で、メディアのレビューは総じて高評価。
 ただし、Steamレビューでは「賛否両論」で、「ゲームのコンセプトはいいが、戦闘バランスが酷い」といった意見が目につく。



 個人的な総評は、「雰囲気はいいけど、戦闘が高難度というよりは理不尽なレベルで、戦っていて楽しくない」。
 あまりの難しさに、序盤の高難度戦闘でハデに時間を食いまくったわりに、ステージは大してすすまず、結果として2時間ほど遊んでお腹いっぱいに。

 と、これだけだとダメゲーっぽく思われるかもしれないけど、戦闘バランスが悪い(というか厳しい)というだけで、ビジュアル、キャラのモーション、BGM、UIなどなど、ゲーム全体からこの作品が丁寧に作られているのが伝わってくるので、「なんだこのクソゲー」って気には、不思議とならない。

 「もうちょっと遊びたいけど、ボス戦がキツすぎるのがなー」って感じ。

 問題が「戦闘バランスの悪さ」という一点(ゲームの本質なのがやっかいだけど)に集約されているので、今後のアップデートなどでここがうまく調整されて、トレーラーのようなスタイリッシュバトルができれば、戦闘が楽しくなって良ゲーになるかもしれない、と思う。
 というか期待したい。
1:戦闘は「難しい」けど「勝ちたい」モチベが沸きづらい

 高難度ウリということで戦闘が難しいのは当然なんだけど、難しさが「単調な難しさ」になっているのが問題。

 例えば、このジャンルの代名詞である『ダークソウル』だと、タイミングの取り方や操作が厳しいっていうシンプルな難しさに加えて、「選択肢の多さ」で難しさを演出している部分もある。
 強力な攻撃に対して、安全第一でガードするかリスク承知でカウンター技使うか…、もしくはまったく違うアプローチを選んで距離を取ったりアイテム使ったりといったやり方もできる。
 戦いながらも状況に合わせた判断で勝負していく。そこが「アクションゲーム」としての醍醐味になっていると思う。

 ところが、『Onto The End』の戦闘は基本的に「敵の行動を的確にガードしてカウンターを決める」という選択肢しかない。
 ガードは反射で対応するのは無理なレベルなんで、行動モーションを完璧に覚えて正しいボタンを押すのみ。

 敵の行動に対する正解アクションが1つしかなくて、それを正確に入力する戦闘になってるから、戦闘が「作業化」しちゃってる。

 このゲームの難しさは、その作業難度を極端に上げることで実現している。
 モーションが分かりにくくて、攻撃が上か下か判断しにくい。
 判断が難しいわりに、ガードやカウンター入力の余裕が短い。
 アクションのモーションが長いうえにキャンセルもできないので、ミスると隙だらけになって高確率で反撃を食らう。
 ライフが極端に少なく敵の攻撃に数回当たると死ぬ。酷いと1パンで死ぬ。

 ミスを許容しないうえに、ものすごくあっさり死ぬバランスなので、ボス戦だと「経験を積む前に死ぬ」から、うまくなっていく実感を得にくいのもマイナスポイント。
 今の調整なら、ライフを2倍ぐらいにして、「敵の技をくらいながら、タイミングやいろいろな戦法を練習できる」って難度の方が楽しめたと思う。

ute01.jpg
↑なお、ガードは上下の2カ所。正しい部位でガードしないとダメなので、「とりあえずガードボタン押す」が成立しない。
カウンターはガードした反対側を攻めるというシンプル設計だが、敵の反応が早くて普通に防がれることが多く、
「カウンター」というシステムみが成立していない感も…。

2:ビジュアルは美しいが、序盤はほぼ暗い洞窟

 ビジュアルはとてもアーティスティックで非常に美しい。

 ただ、序盤はずーーーーーーっと洞窟の中で、似たようなシーンが延々と続く。
 ベースビジュアルがアーティスティックで美しいので、序盤は楽しめるが、それでも何時間も動き回っているとさすがに飽きる。
 ビジュアル売りのゲームで、序盤2時間ずーっと暗い洞窟ってのもどうなんだろ?

 洞窟の雰囲気はよく出てるし、緊張感も演出されて悪くはないんだけど、もう少しアクセントとして息をのむようなシーンも差し込んで欲しかったというのが正直なところ。
 「カラフルなシーンだと作るのが大変だから、開発費抑制のために暗いシーンばっかなのかなぁ…」とか邪推したけど、さすがに背景1枚絵でそこまで労力食わない気がするんで、きっと意図的なデザインなんだろうな…。

ut00.jpg
↑スタートシーンの絵。文句なしに美しい。こういったシーンが続くんだろうな…と思いきや…

ute04.jpg
↑序盤2時間はだいたいこんな感じ。焚き火や天井から差し込む光や雪の上に広がる鮮血など、
それなりにアクセントがある場面もあるけど、基本は暗い。




 以上、僕の『Unto The End』の評価は少々厳しいものになった。
 ただ、僕はダクソは楽しいけどSekiroは序盤で投げた人なんで、高難度ゲームへの適性自体が高くないというかぶっちゃけ低いw。
 なので、僕の高難度ゲームへの評価は普通よりも低くなりがちかも…。

 アクションうまい人ならこの程度の難度でちょうどいいかもしれないし、「とにかく高い山を登るのが楽しい!」って人も楽しめるかもしれない。

 正直、もうちょっとヌルくて「一定時間戦いながら解答を試行錯誤できる」難度だったら評価がかなり変わったと思う。
 まさにさじ加減一つで評価激変。

 なお、『Unto The End』は、2020年12月現在、Xbox Game Passで配信中。
 正直、遊ぶ人を選ぶのは間違いないので、ブログで不特定多数の人に「おすすめだよ!」って言い切るのは躊躇われるけど、ゲーパスの中の1タイトルとしては、むしろぜひ遊んで試して欲しい作品。
 人によってはハマる可能性も少なくないので、気になる人がいたら、ゲーパスでのチェックをおすすめしたい。





おまけ:戦闘部分動画



 ヘタクソが頑張った結果、勝てずに投げた動画。
 軽く解説をしておくと…

 チュートリアルで「ガードした部位と反対を攻撃するとカウンター」と言われたので、律儀に守ったところ、反対側を攻撃しても超反応であっさりガードされる。
 カウンターとか無視して、上下のどちらでガードしても、その後上段攻撃だすとそこそこの確率で当たるので、その戦法をメインに。

 敵の上段攻撃が、一瞬下段のモーションが入ってすごく紛らわしい。つられて下段ガードしてもすぐ上段ガードすれば守れるけど…。
 モーションで釣って判断を紛らわしくさせる作戦による高難度化。

 敵を倒しても、こちらのダメージが大きいと疲労でその場にへたり込む。
 後続がやってきて、なすすべなく殺やられる。
 ギリギリで勝つ=負け。勝っても負け確な演出ってダメじゃね?w

 2体同時戦闘で、挟まれるとつらいので、ローリングで背後に回ろうとするとき、ローリング終わりで壁や敵にぶつかると剣を落とす。
 拾おうとすると敵に攻撃される。
 一回武器を落としたが最後、戦う手段がなくなってなぶり殺しにされた。
 ヘタに回避すると武器がなくなるよ! という仕組みによる高難度化。
 「落とすな」と言われればそのとおりだけど、このシステムいる?w

 挟まれた状態でなんとかする必要があるんだろうけど、有効な戦術を探そうとしても、試行錯誤する間もなくコロされる。
 ここで勝利を掴もうという気が失せて、とりあえず1体倒したら逃亡してみたが、執拗に追いかけてきて結局コロされた。



 挟まれた状態から、どうすればいいですかねぇ…。
 こっちから攻めると反撃くらいやすいんで、ガードしてから攻めたいんですけど、そんな悠長なことしてると前後から攻められるし。
 パターン化するのが難しそうだから、2体の動きを見て位置取りをコントロールしつつガード反撃みたいな流れなのかなぁ…。

 開始から10分後、ほぼ初遭遇の強敵でこの強さは辛かったw

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[ 2020/12/21 12:45 ] ゲームレビュー | TB(0) | CM(0)


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