『Windobound』レビュー:ゼルダっぽい見た目だけど、中身はまるで違う海洋探検ローグライト 

 イカダにのって数多の小島を巡りながら、故郷への帰還をめざすサバイバルクラフト『Windbound』をクリアしました。

 こちらの作品、Steamだと評価がかなり低めです。
 低い理由の根本が「クラフトゲーなのに素材が少ない&管理が大変」「難度が高すぎ」といったもの。
 要は「まったりクラフトサバイバルを楽しみたいのに、難度がキツすぎて無理」という意見が多いです。

 トレーラーなどのぱっと見が「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」っぽいので、そういったゲームを想像してプレイしてみたら、「これじゃないよ!」って反応と思われ。





 この意見には同意するのですが、そもそも

 このゲームは「まったりクラフトサバイバル」じゃないんです。
 本質は死んでやり直すのが前提のローグライト系サバイバル。


 『Windobound』は、ゼルダじゃなくてドンスタなんです。
 そりゃゼルダ遊ぼうと思ってドンスタだったらキレるよね…という。


 ローグライトとして見ると、『Windobound』のゲーム難度はそれほど高くありません。

 Steamレビューで目立つ「難しいから低評価」は、要は「初見でクリアできないとかクソ」って意見なんですが、このゲームは「ある程度経験を積むと楽になる」難易度になっています。
 たしかに、初見だと、敵はクソ強くてまったく勝てないし素材は全然足りなくて満足に探索できません。
 ですが、ある程度経験を積んでくると、敵への対処法が分かって楽に勝てるようになりますし、素材の管理も「どの素材がどの程度必要か」が分かってきて管理が容易になってきます。素材管理なんかは、むしろやりくりが楽しいレベルとすら言えます。

 つまり「ローグライク」って考えればフツーの難しさなんです。
 むしろ、難しすぎず簡単過ぎずで、初心者向けの雰囲気重視ローグライトとして見ればよく出来ている方だと言えるでしょう。



 このゲームの低評価については、ひとえに「マーケティングの失敗」としか言いようがないですねぇ。
 そりゃ、あのトレーラー見たら『ゼルダBotW』と『風のタクト』をくっつけたゲームを想像しますって…。

 その方が注目を集めたかもしれませんが、結果としてトレーラー詐欺になってしまい、ユーザーもメーカーも得をしない結果になってしまった気がします。

 ちゃんと「このゲームは、死んだら最初からやりなおしのローグライトです。オープンワールド冒険ゲームではなくて、素材をやりくりして先へ進むサバイバルゲームです」って明言しておけば、ローグライト好きの注目を集め、そういった人たちが購入した結果として正統な評価を得られただろうなぁと思うと、残念でなりません。



 ここからは、普通のゲームレビュー。

ここがイイ!
 本作のウリは「海洋系ローグライトサバイバル」という、わりと唯一無二のアイデンティティを持っていることでしょうか。
 「ゼルダを期待すると裏切られる」とは書きましたが、風のタクト的な「大海原を航海する楽しみ」というのは、十分に味わえます。
 風の流れを読みつつ、マストの操ってイカダを進めていくのは「帆船を操ってる感」があふれていてとても爽快です。

 ローグライク系サバイバルとして見ても、作れるモノの数はまぁまぁあり、素材集めや拠点作りの楽しさもなかなか。
 とくに拠点となるイカダに手を入れて機能と見た目を徐々に立派にしてくのは、他のクラフトゲーとは一線を画する達成感と満足感が味わえました。

 島々を巡る過程で、レアな素材を発見してそこから強力な装備を作れたり、ステータス強化のほこらを発見できたりと、海洋探索のおもしろさもまずまずです。

 また「章クリア型」なので、目的がハッキリしていて、進めやすいのもポイント。
 サバイバル型のゲームって自由度が高すぎて、とっつきにいくいものが多い中、『Windbound』は誘導が強めで、「何をすればいいか分からない」って状況に陥りにくいです。

 「ローグライトなクラフトゲーム」として見ると、シンプルかつ分かりやすい作りで、難度的にも優しすぎず簡単すぎず。
 初めてローグライトをプレイするって人でも、遊びやすいタイトルだと思います。

ここが残念!
 ローグライト好きからすると、システム的な底の浅さが気になります。

 基本的に、クリア方法が一つしかないため2週目以降も1週目とほぼ同じようなルートになります。
 ローグライクの醍醐味として「プレイするごとにゲーム体験が変わる」ってのがあると思うのですが、それがありません。
 どのプレイでも「最初に草のカヌー作って、次に骨の槍作って動物狩って、その次に竹のイカダ作って…」って同じような流れをなぞりがちです。
 クラフト&サバイバル部分もイカダの強化と装備の強化に集約されているから、脇道にそれることもできない。

 1回クリアしちゃうと、2回目のモチベーションがわきにくいです。

 この辺をアップデートで修正してくれれば…と思わなくもないのですが、ゲームの本質が「クリア方法とクラフトが直接的な依存関係にない」という作りになっているため、小手先での対応は難しそう。

 となると、周回プレイ用モチベを保つには、島を拠点に改造できたり強力ボスとと連戦したりといったエンドコンテンツ的なモードを新設するぐらいしか思いつかないので、わりと難しいかもしれません。
 やってくれたら超うれしいですがw

総評
 海洋系ゲームとローグライトが好きなら、初回プレイはなかなか楽しめると思います。
 一方で、リプレイ性に乏しいので「1回遊びきり」って割り切りが必要かも。
 そうなると、3000円って価格をどう判断するか…ってところでしょうか。

 個人的には、3000円はちょっと割高かなぁって気がしました。1500円ぐらいが価格相応かなぁ。
 最近のPCゲームは安くて面白いのが多いから、作る方は大変ですね…。

 繰り返し遊びたくなるようなアップデートがくれば、3000円でも十分満足できると思います。


 なお、トレーラー見て、ゼルダライクな「旅を楽しむオープンワールドゲーム」を期待して買うのはダメ絶対w

 ちなみに僕はゼルダを想像して先行予約までしていたものの、プレイしたら思っていたのとまるで違うものの、ローグライトもけっこう好きだったから楽しめたという、ワリとレアケースな気がしないでもありません。
 ローグライト好きでよかったw



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[ 2020/09/08 16:49 ] ゲームレビュー | TB(0) | CM(0)


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