【元記事:2011年2月。2013年1月に加筆】
この記事はもとは2011年に書いたモノです。最近「DTCP-IP」で検索してきてくれる方が多いようなので、エントリ末に2013年の状況を追記しました。
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ふと、BDレコーダー(シャープのHDW65)で録画した地デジ番組をPCで見たくなりました。
最近のテレビやレコーダーはLAN経由でソースをシェアできる「DLNA」という規格に対応しています。
でもって、Windows7にはDLNAに対応したメディアプレーヤー12が付いているので、あんまり深いこと考えずに使えるだろう……なんて思ったらコレが大間違いでしたorz
WindowsでDLNAを使って地デジ録画を再生するには有料ソフトが必要らしい…
まず、メディアプレーヤーでBDレコーダーにある録画データを認識することはできるのですが、再生しようとしても「コンピューターのメモリが不足しています」と出て再生できない。うちのPCは6Gほどメモリを積んでいるので、メモリ不足ってのは考えにくい。
そこでぐぐって見たところ、地デジをDNLAで見るには
DTCP-IP
とかいう、著作権保護技術に対応していないとダメということが判明しました。
このDTCP-IPですが、日本以外ではあまり使われていないもよう。なぜかっていうと「海外の地上波はプロテクトなんかかかってないからDTCP-IPなんか使わない」ため。
つまりDTCP-IPは存在そのものが日本の特殊事情なワケです。
そのためか、Windowsは標準ではDCTP-IPに対応していないため、メディアプレーヤーではBDレコーダーで録画した地デジ番組を見ることはできない…と。
PCでどうしても地デジ番組を見たい場合は、DCTP-IPに対応したフリーウェアが存在しないので(実は無料のがあるかもしれませんが、僕には見つけられませんでした)、有料のものが必要なようです。
メジャーなのは「DiXiM Digital TV」というソフトで、お値段は4980円。
高いよwwww
というわけで、地デジ番組をDLNA使ってPCで閲覧はなかなか壁が高かったです…
誰だよ、こんなメンドクセー仕様にしたヤツ…
ちなみに「日本の家電製品」は大概DTCP-IPに対応しているので、家電同士でDLNAを使う場合はなんの問題もありません。
大手メーカーのパソコンも、対応ソフトをプリインストールしている場合がほとんどのようなのでまず大丈夫と思いますが、DLNA目的で購入する場合は念のため確認した方がいいと思います。台湾系メーカーとかだと対応してなくても不思議じゃないですしね。
【オマケ】ついでにPS3とか360とかAndoroidでDLNAを試してみた
●PS3と360でDLNAを試してみた PS3と360もDLNAに対応しています。
ついでだったんでDLNAで地デジ再生できるか試してみました。
まず360ですが、HDW65を認識しません。入り口でつまづいたw
PCは認識していたので、家電との相性が悪いんですかねぇ…。どうも360のDLNA機能は純粋なDLNAではなくてWindowsとの連携機能としてのDLNA対応のようなので、その辺がひっかかっているのかもしれません。
詳しい方がいたら教えてくれると嬉しいです。
次はPS3。
PS3はDCTP-IPに対応しています。デフォでは有効になっていませんが、DTCP-IPで保護されたコンテンツを再生しようとするとメッセージが表示されるので、その後「本体設定」で有効にします。
しかし、実はこれだけでは再生できない罠。
我が家ではHDW65とPS3は両方「無線LAN」で接続しているのですが、これだと再生できませんでした。両方「有線」にしないとダメ。どちらか片方だけでも無線にしていると再生不可。
ヤヤこしいねぇ…。
無線接続って不安定だから仕方ない部分もあるんだろうけど、せめて「無線だとダメなので有線でつないでね!」ぐらいメッセージ出してくれないかなぁ…。原因特定するのに1時間ぐらいかかったよ…。
というわけでPS3で地デジ番組をDLNA経由で再生できるのは確認できました。
●AndoroidでDLNAを試してみた さらについでにAndoridでもDLNA。
AndoridのDLNAクライアントアプリについては、こちらの「
Android用DLNAクライアント動画再生比較検証2」が素晴らしく詳しいのでオススメ。
こちらを参考に「Skifta beta」と「UPnPlay」をインストール。
僕はWMP12をDLNAサーバーとして使用しているのですが、どちらのアプリでもミュージックライブラリ・ビデオライブラリともに問題なく認識。HDDの映像・音楽ファイルをスマホで無事再生できました。
これはなかなか便利。DLNAと携帯端末って相性いいね。
使った感じでは、Skiftaの方が分かりやすかったのですが、ウチのISO6では動作が少々不安定で、特定のファイルを再生しようとするとフリーズしたり、突然ファイルを認識できなくなることがありました。
UPnPlayの方は特に問題もなく動いたので、当面はコレを使ってみます。
ちなみに、BDレコーダーをサーバーに指定したときは、コンテンツを認識するも再生はできませんでした。DCTP-IP非対応なので当然ですが…。
以上、いろいろDLNAをいじってみましたが、PCベースで使うDLNAがお手軽で使いやすいのに比べると、家電系は縛りがあってヤヤこしくなっているのが困りますねぇ…。
日本国内の家電だけで完結するネットワークのうちはいいですけど、PCやスマホ、さらには海外の家電製品が入ってくると、ちょっとした障壁となってくるような気がします。
iPhoneやAndoroidのDLNAクライアントで「地デジだけ見られない」ってのが当たり前のように起こりそう。そういうのに詳しくない人からしたら「地デジだけ見られない」ってのがワケわからないんじゃないかなぁ…。
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【2013年1月15日 追記】 スマートフォンのDLNAクライアントだと上で紹介している「Skifta」(Android)の他に、AndoridとiPhoneの両方に対応している「Twonky Beam」も人気を集めています。
・
Skiftaベータ(Google Play)
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Twonky Beam(Google Play)
・
Twonky Beam(iTunes)
僕のHTCJではSkifta、Twonkyともに問題なく動作しました。
WindowsならメディアプレーヤーをDLNAサーバーとして利用可能なので(※1)、PC内の動画をベッドで寝ながらスマホで再生…なんてことが簡単かつ無料で実現できます。
気になるDTCP-IP関連ですが、「Twonky Beam」は一応DTCP-IPにも対応しています。ただし、地デジやスカパー番組の再生は、録画機器や録画形式がかなり限定されています。
現在、正式に対応を公表しているのは、ソニーとパナソニックのBDレコーダーのみ。
ソニーの新しいモデル(※2)は録画モードを問わずに再生可能なもよう。
パナソニックは2011年春以降発売の対応モデル(※3)で、かつ録画モードがHG、HX、HE、HL、HM、HZであれば再生可能。DRとかはダメみたい。
詳細は公式サイトの記述で確認してください。
なお、公式サイトに記載があったのはソニーとパナだけですが、Google Playのコメントによるとnasneなど、他の機器による動作例も報告されています。
どうやら再生可能なのはMPEG-4 AVC/H264だけで、MPEG2はダメらしいのですが、じゃあH264ならなんでもいけるのかといえば、そういうワケでもなく、ウチの数年前のSHARPのレコだと、H264で録画したものも再生できませんでしたorz
DTCP-IP回りは、Twonky Beamの登場でもわかるように、2年前に比べるとだいぶマシになってきていて、日本製のタブレット、スマホ、NASなどは対応しているものが多くなってきました。
一方で海外製品はDTCP-IPはガン無視なのは相変わらず。国産でもDLNAには対応していてもDTCP-IPには非対応のものもあり、地デジをDLNAで見るという行為については、依然として分かりにくさが残っているようです。
このクソ仕様と、それによって引き起こされている現状って、家電機器としては大きなデメリットだと思うんだけどなぁ…。
これだけで即どうこうってことは無いと思いますが、例えばインターネットTVとかが発達してくると、保護技術でガチガチに固めた電波TVはあっという間にそっぽ向かれかねないような。
DRMを無くしつつある音楽配信のように、テレビメディアもいろいろ考える時期に来てるんじゃないですかね…
【参考リンク】
・
iPhone/iPadのDTCP-IP対応、現状と今後の課題・
DTCP-IP対応Android端末メモ(2012/11版)※1
ライブラリ画面で「ビデオ」から「ビデオライブラリの管理」で、PC内のフォルダを指定。その後「ストリーム」の「デバイスでのメディア再生を自動的に許可」をチェック。
※2
ソニーBDレコーダー対応モデル
BDZ-EX3000、BDZ-ET2000、BDZ-ET1000
(以下の機種はシステムアップデートで対応)
BDZ-AX2700T、BDZ-AT970T、BDZ-AT950W、BDZ-SKP75、BDZ-AT770T
※3
パナソニックBDレコーダー対応モデル
DMR-BZT900/800/700/600、DMR-BWT500、DMR-BZT9000/910/810/710、DMR-BWT510、DMR-BZT920/820/720、DMR-BWT620/520、DMR-HRT300
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DCTP-IPはライセンス料がかかるから、対応機器はその分割高になっているらしいですね。
海外製の高機能NASでも対応してないことが普通みたい。
番組は糞だわプロテクトガチガチだわで
そりゃTV離れも進むってもんだ。
B-CASにしろDTCP-IPにしろ、保護技術そのものは有料放送やプレミアムコンテンツの配信を成立させるのに必要な技術であって、ジャマというのは間違いだな。
それを無料の地上波放送に適用させることの是非ならわかるが。
以下、気になったところをいくつか。
無線でDLNAやるなら、ストリームのビットレート>無線
LANの帯域である必要がある。
PS3の11gでは地デジのストリーミングには帯域が足らない。
AVC圧縮録画ならよくてDR(MPEG2)だとダメなのも、DLNAというのはクライアント側の再生能力に依存するから。
サーバー側でリアルタイムにトランスコードする方法もあるけど。
ソニレコの放送転送なんかはそれ。
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