なんとなく池袋ビックに行ったら、モンハン3とかマグナに混ざって360用のGTA4とフェイブル2が、それぞれ1980円で売ってました。欲しい方はお早めに。
さて、それとはまったく関係なく、先日「デビルサバイバー」が終了したました。
アトラスから発売中のDS用シミュレーションRPGで、女神転生シリーズならではの「悪魔合体」を取り入れているののが特徴。イラストのヤスダスズヒトもセールスポイント。
今年の1月発売だったので、かなりいまさら感が漂いますが、せっかくなのでプチレビュー。
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デビルサバイバー公式サイト
【システム】 シミュレーションRPGとうたっていますし、実際ジャンル分けすればそうなると思いますが、クラシカルな意味での「タクティカルシミュレーション」ぽさはほとんどありません。
まず戦闘内容が良くも悪くも「メガテン」ぽくて、弱点をついたりつかれたりすることで、あっさりと全滅します。じっくりと戦うことはほぼ不可能で、ものすごく即物的な戦いとなります。
フリーバトルで好きなだけレベルを上げられることも手伝って、敵味方がイコールな条件で戦術を競うという面白みはほぼ皆無。ていうか、そもそもそのためのバランスすら取っていないと思います。生き死にに運の絡む割合も少なく無いし。
ユニットは人間1人+悪魔2体で編成。どのような
悪魔を組み合わせるかで、ユニットの性格がガラリと変わる。
このチーム編成がデビルサバイバーの面白さの一つ。 これだけだと、SLGとしてはただのパワーゲームになってしまいますが、デビルサバイバーの場合、各ステージに縛りのきつい「達成条件」をつけることで、ゲーム的な面白さを加味しているのがポイント。
つまり「NPCを殺されないように保護せよ」とか「逃げる敵を1匹残らず殲滅せよ」みたいな。
で、その条件がけっこう厳しくて、ユニット編成とか戦い方をしっかり考えないとあっさりと失敗します。ちょっとイラっとするほどですが、コレぐらいの難易度でないと作業っぽくなってしまうかもしれず、なかなかの好バランスと言えそう。
ただ、基本的には「与えられたミッションをいかに達成するか」という、いわばパズル的な要素の強いゲームなので、「さまざまなユニットを使いこなし、戦術を駆使しながら敵軍団を撃破したい」といったSLGライクな遊び方を期待すると裏切られるかと。
まぁ1ステージに出撃させられる最大ユニット数が「4」という段階で、SLG的な遊び方がムリってのは想像に難くないでしょう。
総じていうと「SLG」というよりは、RPGの戦闘をよりタクティカルにした印象です。 まぁ最近のシミュレーションRPGってこっちの方が多いので、むしろ主流かもしれませんが。そりゃDSで本格SLGやれってのはきついよなぁ…。
ユニット同士の戦闘はRPGの戦闘モードライク。
弱点をつけばあっさり勝てるし、
逆に弱点を付かれるとあっさり全滅する。
この辺のノリは「メガテン」ぽいが、
果たしてこのシステムが「SLG」に向いているか
と言われると、ちょっと微妙かも。【ストーリー&キャラクター】 ストーリーについては内容についてはふれませんが、基本的に「無難」な作りかと。
「事件」中心なストーリーテリングで、人の内面に突っ込んだり、生き方について悶々と悩んだりしないので、比較的好き嫌いが出にくいと思います。
またキャラ同士のイベントはラノベノリなので、そっちが好きな人なら楽しめるのではないでしょうか。逆にガッツリとした人間ドラマに期待すると物足りないかもしれません。
気になったのは、このゲーム、マルチエンディングを採用していて、ストーリー進行の途中で「分岐イベント」が発生するのですが、そこの選択によって仲間キャラクターがハデに入れ替わっちゃいます。
他のゲームで言うなら「ラストダンジョン突入前に最終選択、その選択によってそれまでずっとパーティメンバーだったキャラが離脱し、それまで一度も仲間にならなかったキャラがパーティに合流する」といった感じ。しかも離脱したキャラはその後2度と登場しなかったりします。
さすがに強引すぎるだろw
このゲーム「プレーヤーの選択によってストーリーが大きく変化」みたいのをウリ文句にしているのですが、実際はそんなことなく、エンディング分岐は分岐イベントのみで判定されている模様。
仮にパーティメンバーをガラっと入れ替えるなら、分岐イベントですべてを決定するのではなく、そこに至るまでの選択肢選択で徐々にそのルートに進むようにして、キャラの入れ替えもその過程で行っておくべき。
それが難しいというなら、せめてすべてのキャラを中盤までにパーティメンバーとして選べるようにしておいて欲しいです。
物語の大半で苦楽を共にしたキャラクターがいきなりいなくなるのは正直どうかと…。
選択肢の内容がしっかりしていたので、
当初は選択によって分岐が変化していくのかと
思っていましたが、攻略サイトなどを見たところ、
どうも選択はエンディングにほとんど影響がない模様。
「時間がなくて選択肢分岐システム削除したんじゃね?」
と思うほど、ザックリ感が漂います。 もう一つ、マルチエンディングをうたっているわりに、製作側が特定のエンディングに誘導している感がアリアリなんですよね。
このゲーム、キャッチコピーが「選べ、生きるか生かされるか」なんですが、エンディングに「生きる」と「生かされる」の両方があって、それをあからさまに選択させます。そりゃなかなか「生かされる」を選ばないだろうと…。
こういう選択って、個人的にはしらけちゃうんですよね…。選択制であるなら、どの選択をするかはプレーヤーに委ねられるべきで、どの選択も等価値であった方が楽しめると思います。
SLG部分を楽しめたので、総合評価としては良作になりますが、ストーリーというか、エンディングに至る選択内容の不備と、それに伴う強引なパーティキャラの入れ替えは激しくマイナスでした。
【やりこみ要素】
最近はどのゲームにもついてくるやりこみ要素。デビルサバイバーでは「特典アリの2週目」という形で実装されています。
で、この「2週目」が激しくつまらない。
1週目で強化した悪魔を2週目にそのまま持っていけるため、レベル50の味方悪魔で1ケタレベルの悪魔を蹴散らかしていくと言う、超作業ゲーとなっています。
RPGであれば戦闘を避けるとかイベント中心に進めるってのが可能ですが、本作はSLG-RPGなので、戦闘が占める割合が多く、いわゆるメインコンテンツである戦闘が作業化するのは苦痛でしかありません。
2週目って形じゃなくて、強力なファイナルダンジョンを実装した方が、素直に悪魔育成を楽しめたんじゃないですかねぇ…。僕は2週目の序盤であっさり投げました。じっくり悪魔育成を楽しみたかっただけに、ちょっと残念です。
【まとめ】
面白いゲームでした。
ステージのクリア条件がやや厳しめで、ときおり不条理さにイラっとしましたが、レベルをあげたり、編成を工夫したり、悪魔の育成法を見直したりすることでクリアできるはず。
クリアの方法も「レベルを上げて強引突破」とか、「ベストの編成で知的にクリア」など、プレーヤー次第でいろんな手段を選べるのは○。
チーム編成や悪魔育成の結果がダイレクトに戦闘結果に反映されるので、悪魔を育てていく楽しみもなかなかのもの。
また、従来のRPG方女神転生が「悪魔をより強くしていく」という育成行為そのものが楽しかったのに対して、こちらは「さまざまな悪魔を組み合わせて、ベストなチーム編成を見出していく」という面白みも加えられています。
あえて苦言を呈するなら、マルチエンディングの分岐のさせ方とか、ステージのバランスの取り方とか、全体的に「詰めの甘さ」を感じました。
ステージのバランスは「フリーバトル」での自主レベル上げ対応に丸投げしているし、エンディングの分岐の仕方もものすごく投げやり感アリアリだし。
良作なだけに、そこらを煮詰めてくれればもっと面白かったのになぁと思うだけに、ちょっと残念です。
まぁケチをつけようとすれば他にも付けられますが、基本的には良くできたゲームかと。
本格的な「戦術シミュレーション」を楽しみたい方や、メガテンならではのハードなストーリーを望む方にはあまりおすすめできませんが、DSっぽいカジュアルな悪魔SLGを楽しみたい方にはオススメの1本だと思います。
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