日本のeスポーツシーンにおける「プロライセンス制度」について思うこと 

 eスポーツが社会的に話題になってきたのを受けて、昨年の2月に発足した「日本eスポーツ連合」(JeSU)。
 そちらが発行している「プロライセンス」関連で、ちょっとした事件が起きたようです。

「ストV AE」大会でももち選手が7位入賞も10万円しか賞金受け取れず 物議を呼んだ“プロ制度”、JeSUの見解は

 なお、JeSUが発行するライセンスに法的根拠などは一切ないです。

 では、なぜこんなものがあるのかというと、JeSUによると「日本のゲーム大会で高額賞金を可能にするため」です。
 日本では景品・賞品の金額に法律による上限規制があります。
 ゲーム大会で賞金を出そうとしても、この規制に引っかかってしまうので、海外で見られるような数百万とか数千万の賞金をかけることが、日本のゲームシーンでは難しくなっています。

 その規制を、現在の法律の範囲内で、うまく折り合いをつけるためのものが「プロゲーマーライセンス制度」というわけです。
(詳しくは、引用元のニュースなどで確認してください)


 「プロゲーマーライセンス」というか、賞金額上限突破の仕組みを整備しようと試み自体はいいことでしょう。
 ただ、それを主導する「日本eスポーツ連合」が、各ゲームメーカーの偉い人の寄り合い所帯というのは、いろいろマズいんじゃないかなと思わざるを得ません。

 JeSUの役員をざっと書いていくと
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会長:セガの社長
副会長:カドカワの人
専務理事:よく分からない人
常務理事:SANKO(広告代理店?)の人
理事:カプコン、コナミ、ガンホー、その他1
特別顧問:体操連盟会長、サッカー協会副会長、ゴルフ協会常務理事、その他1
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                                       (JeSUの公式サイトより)

 eスポーツという文化の黎明期に、それを主導するのが「利権がからんでもおかしくない人達で構成された団体」というのは、マズいと思うんですよね。

 例えば、今年の10月に行われる「茨城ゆめ国体」の文化プログラムで実施されるeスポーツ大会のタイトルは「ウイニングイレブン2019」「グランツーリスモSPORT」「ぷよぷよeスポーツ」の3つです。
 この3つがダメだとはまったく思いませんが、同時に「もっと人気あるタイトルあるよね? JeSUの利権がらみで選定されたんじゃないの?」って疑問も抱かざるを得ません。

 eスポーツの足もとがまだしっかりしていない時期だからこそ、その辺りの「公明正大さ」が疑われない体制ができるといいなぁと思います。


 とりあえず、JeSUは、ぽっと出てきていきなり「オレたちが日本のeスポーツを取り仕切る!」みたいな顔をするよりは、すなおに「自社IPを使ってeスポーツを盛り上げていく団体」ってスタンスを明確にしたほうが、ウケがいいのでは…。

 すでに「ぷよぷよ」とか「ストリートファイター」で頑張っているワケですし、そこを足がかりにして「JeSUが日本のeスポーツ文化を盛り上げてきた」って認知されるように地道に活動していけば、日本のeスポーツシーンにおけるJeSUの存在感が揺るぎないものになっていくんじゃないかなぁ。

[ 2019/02/26 16:51 ] ゲームいろいろ | TB(0) | CM(0)

『Heroes of the Storm』の開発規模が縮小。eスポーツ大会も中止になったらしい。 

 ブリザードが、サービス展開中のMOBAタイトル『Heroes of the Storm』(HotS)の開発規模縮小と、eスポーツ大会の中止を発表したそうです。

Blizzardが『Heroes of the Storm』の開発規模を縮小

 サービス中止ではなく、あくまで規模縮小。
 とはいえ、今後、大きな発展は望み薄なので、徐々にフェードアウトしていくのかな?

 HotSは、LoLに対抗する形でブリザードが満を持してスタートしたMOBA。
 MOBAは、もともとブリザードの『Warcraft』にルーツがあっただけに、多くのゲーマーから注目を集めていました。
 後発ということで独創的な部分も多く、リリース時の評価もまずまずでしたが、LoLの壁は厚かった模様で、今回の決定となったようです。


 さて、ゲームのサービス中止事態は今や珍しくはないのですが、僕が気になったのは「eスポーツ大会も中止」という部分。

 今まで、プロとしてやってた人は、いきなり職場が消えちゃうワケで大変そう。
 同じMOBAとはいえ、ゲーム性がかけ離れているLoLやDOTAに鞍替えするのも難しそうだし。

 基本的にeスポーツって、私企業の一コンテンツによっかかってるから「継続性」が極端に低いんですよね。
 開発元のメーカーが撤退を決めると、それと同時にプロスポーツシーンも消滅。

 LoLのような人気タイトルでも、メーカーがサービスを中止してしまえば、ゲーム自体がプレイ不可になってしまうので、どこか別の団体がプロシーンを引き継ぐ…なんてこともできない。

 さらに、eスポーツは「競技自体の継続性」とは別に「ルールや競技内容の継続性」も低い。

 たとえば「ストリートファイター」は、そこそこの頻度で新作がリリースされ、そのつど同じタイトルでも中身が別物に入れ替わっています。
 LoLやハースストーンなども、パッチや新拡張セットのリリースによってゲーム内容が大きく変化することは珍しくありません。

 こういう状況だと「プロ選手」としてやっていくのは、それはそれは大変なんだろうなー、と。
 競技がいつなくなるか分からないのが大問題なのは当然として、パッチなどでゲーム内容が大変化したときに、うまく適応できるかどうかも不安の種。

 ここまで不確定要素が多いと、職業として選択するのはなかなか厳しそうだなぁと思います。
 若いうちに、数年の間だけ「趣味の延長」や「副業」として選択するのであれば許容範囲かもしれませんけど。

 eスポーツはまだまだ黎明期で、構造的な問題が多くてすぐに解決するのは難しいとは思いますが、プロ選手が安心して競技に打ち込める環境が整ってくると、プレイの質も向上して、より見ごたえのある試合が増えていくんだろうなぁと思います。


 つうか、そもそもプロ選手って、どうやってプロ選手になっていくんですかね?
 普通のスポーツだと、子供のころからプロ目指して練習して…みたいな形だと思うんだけど、ゲームだとどうなんだろう?
 子供の頃から「プロゲーマーになりたい!」って思っても、そのとき流行ってるゲームが、大人になったときも続いているとは限らないしなぁ…。
[ 2018/12/18 03:27 ] ゲームいろいろ | TB(0) | CM(0)