今回レビューするの『Bladed Fury』は、古代中国、春秋戦国時代をモチーフにした、中国産の横スクロールアクション。
Steamレビューでは「非常に好評」と、かなりの高評価を得ている作品です。
なお、僕はノーマルでエンディングまで到達しました。プレイ時間はおよそ8時間ほどです。
本作の特徴は以下のとおり。
・良い点
まるで絵巻物を見ているような、独特かつ非常に美しいビジュアル。
2つの武器による多彩な技を駆使して戦う、爽快なアクションバトル。
手強いボスとの戦いは、なかなかの難度でやりごたえ充分。
・悪い点
日本語対応だが、訳のレベルが「機械翻訳よりややマシ」レベル。誤字も多い。
マップにはギミックなどがほぼなく、単に動き回るだけで単調。
ボス以外の敵のバリエーションが少なく、かつ出現数自体も少ない。
・総論
ゲーム全体で見ると退屈な部分も少なくないが、秀逸なビジュアルと爽快なアクションという、明確なストロングポイントが2つ存在する。
フルプライスゲームであればボリュームの少なさや作り込みの甘さといった点で文句が出るかもしれないが、1000円という価格であれば、ほとんどの人が価格分の価値を見いだすことができるであろう、良質なインディーズタイトル。
アクションのデキは良くて、ボスキャラのギミックや動きがしっかり作られているため、ボスとのバトルのクオリティはかなり高いです。
ただ、それ以外は、ザコキャラデザインもマップデザインも、とって付けた感があって、ぶっちゃけ無くても良いレベル。
幸い「ボス連戦タイムアタックモード」が用意されているので、クリア後はボス戦だけひたすら楽しめます。
もうちょっとザコキャラのバリエを増やすなり、レベルデザインに力を入れれば、「1000円のインディーズゲー」から「絶対遊んでおきたいインディーズの名作」ぐらいにレベルアップしたのになぁ…と思うと惜しい限り。
アクションについて
主人公は、素早さ重視の「双剣」と、威力重視の「大剣」を切り替えながら戦います。
また30を越えるスキルが容易されていて、戦闘で貯めたスキルポイントでアンロックすることで、使える技が増えていきます。
スキルバリエーションは、めちゃめちゃ多いというワケではないですが、充分な数があるうえに各スキルに「敵を打ち上げられる」「回避しつつ多数の敵をまとめて攻撃できる」「敵の飛び道具をはじき返せる」などの明確な特徴があるので、戦闘での使い分けは、アクション好きならかなり楽しめると思います。
なかでも、敵の攻撃をジャストガードすることで発動する強力なカウンター攻撃は、「そこそこの難易度」で「強烈なリターン」見こめて、決めるとかなり気持ちイイこと間違いなしです。
まぁ強すぎて、カウンターへの依存度が高くなるという弊害もありますがw
ビジュアル&ストーリーについて
主人公や脇役、さらにボスキャラのカットイラストはもちろん、ステージの風景ビジュアルも素晴らしいの一言です。
綺麗なビジュアルのゲームはいくつもありますが。『Bladed Fury』が素晴らしいのは、ビジュアルのタッチが独特で、似たようなタイトルがあまり見かけられないこと。
他で見かけないビジュアルゆえに新鮮な気分で眺めていられるというのも、大きなセールスポイントといえます。
個人的には、このビジュアルを見るためだけに買っても充分満足できるモノでした。それぐらい独特の雰囲気があって美しいです。
あと、僕は、今まで中国語のゲームというか「中国語で語られる物語」みたいのを、じっくりと聴いたことがなかったんです。
で、『Bladed Fury』で初めて、中国語の語りを聴いたんですけど、中国語ってリズムと抑揚が豊かで、聴いてて気持ちイイなぁと思いました。
それだけに、字幕の日本語訳が雑すぎるのが悔しいw
誤訳誤字が多すぎて、大意を掴む程度はできるんですが、正確な話の流れをつかむのが難しいレベルなんですよね…。
「裏切り者に父王を殺された美しい王女の流離譚」という、歴史好きの食いつきがよさそうな設定なだけに、もう少しクオリティの高い翻訳を強く望みたいところです。