児童ポルノ規制問題。日刊スポーツのアグネス記事につっこんでみる 

 最近ちょっと気になっているのが児童ポルノ法の流れ。
 ちまちまと関連記事を集めたりして「アニメ・ゲームと児ポ規制はどうよ?」っぽいネタでも書こうかなぁと思っていたところ、今朝、日刊スポーツを見ていたら、社会面で

「児童ポルノは残酷な狂気 撲滅と戦うアグネスチャンの悲痛な叫び」

という記事がありました。

 撲滅と戦うって何と戦ってるんだって気がしないでもなかったですが、まぁそれは置いといて、記事の内容はいつものアグネスさんの主張どーり。海外での児童性犯罪の事例をあげてその非道さを主張しています。
 ざっとまとめると

・G8で児ポ単純所持を禁止していないのは日本とロシアだけ
・単純所持を禁止すべき
・今回の改正は世界中が注目している
・児ポ被害者はネットに自分の画像が流れていないか恐れている
・子供の裸を道具として考える人に表現の自由はいらない

 こんな感じ。
 「世界がこうだから」って理論はとても稚拙だと思うのですが、そこはいいとして、単純所持禁止論者に聞きたいのは、まず

 現行法ではなんでダメなのか?

 ってことなんですよね。

 今でもネットでのアップロードは違法だし、撮影とかの行為も全部禁止。アグネスが今まで具体例としてあげている行為は、すべて現行法で取り締まれるのではないでしょうか?
 現行法で取り締まれないから法律を強化するってのは分りますが、明らかにそうではない。彼らの論理って「児童ポルノは悪いこと。だから元から絶たなきゃダメ!」だと思うんですけど、僕は倫理観は法で規定すべきではないと思います。

 もちろん児童ポルノ被害はなくすべきですし、そのために加害行為を厳格に取りしまる必要はあるでしょうけど、それと単純所持禁止は別次元の話だと思うんだけどなぁ…。
 むしろ単純所持禁止はポルノ規制の分野ですよね。そっちの理屈で話すのならスッキリするんだけど、どうも現状では被害者の過酷な状況を上げて感情論に持っていって倫理規制しようとしている印象です。

 で、もう一つ、該当記事で気になったのが以下の部分。全文引用します。

 民主党案は表現の自由の侵害を恐れた案だ。アグネスは言う。
「子供の裸を道具として考える人に表現の自由はいらない」
法改正にあたり、子供は自分を自分で守れないことを忘れてはいけない。

 表現の自由がいるいらないは、またややこしい話になるのでスルーしますが、ひっかかったのは「民主党案は表現の自由の侵害を恐れた案だ」というくだり。

 民主党が「単純所持ではなく、繰り返しの取得を禁じる「取得罪」の禁止」にしているのは、表現の自由ではなく、捜査権の乱用を危惧しての事のはず。ネットで該当記事を検索したところ、どこの記事でもそう報じてますし、当の枝野議員が

「単純所持を罰したい思いは共有するが、知らないうちに画像が送りつけられる現実がある以上、いかに取得したかを客観的に立証しなければならない」と説明。冤罪(えんざい)とされる可能性が強まった足利事件を例に挙げ「たった一枚の画像を気付かず持っていても『性的好奇心を満たすためだった』との自白を取られてしまえば、誰もが犯罪者にされる恐れがある」と与党案の問題点を指摘。

 と発言しているワケで。

 ニッカンの書き方だと、事実の表記なのかアグネスの言葉だかが非常にわかりにくく、ワザとやってるんじゃねーの? と思うほど。
 まぁどちらにしても事実誤認ぽいですよね。
 アグネスの言葉ならニッカンが補足すべきだし、ニッカンの言葉ならニュースメディアとしてどうかと…。

 個人的には単純所持禁止は警察国家ぽくて嫌なのですが、どうしてもっていうなら運用条件をしっかり定義づけてください。今の案のままじゃ普通に生活しているだけでいきなりタイホされるリスクがでかすぎます。
 だいたい電子データを持っているだけでタイホする法律って、今のネット社会じゃムリがあるって…。


<参考>
児童ポルノ禁止法改正案審議入り 「単純所持」が焦点(朝日)
四半世紀以上前の映像「よく売れる」 ネットが舞台、捜査難航(産経)
「単純所持」めぐり法改正停滞…2歳の娘をポルノにする母 (産経)
児童ポルノ禁止法改正案 「単純所持」巡り平行線(毎日)

児童ポルノ法改正、何が問題か(ASCII.jp)
[ 2009/07/06 12:32 ] ニュース | TB(0) | CM(29)