『ラストストーリー』が楽しかったのでレビュー。「ストーリーRPG」って難しい 

『ラストストーリー』が終わったので、レビューというか感想。

 エンディング時のセーブデータのプレイ時間は18時間ほど。寄り道・サブクエはあまりやらず、ほぼメインシナリオを突っ走り。2時間ぐらいは放置しましたが、ラスボスは余裕で3~4時間分やり直しているので、実質プレイ時間はもうちょっと長いかもしれません。

 僕は、つまんなかったりダルくなってくるとそのままヤメちゃう人なんですが、『ラストストーリー』は金曜にはじめてクリアする日曜深夜まで一気に遊びまくったので、評価が「おもしろかった」というのは間違いないです。

 ただ「スゲー面白いか?」と言われるとちょっと微妙…。
 75点ぐらいの「良作」ってところでしょうか。一気に遊んじゃったせいもあり、値段分(6000円)は遊べてないかもなーってのが正直なところです。(まぁゲーム自体、CPがイイっちゃイイんですけどね)






 ゲームとしては「ストーリーを見せることに重点を置いた一本道系RPG」だと思います。
 製作がFFの坂口氏ということもあり、アレ系の進化版といったところ。

 ストーリーそのものは王道で、良くも悪くもベタな感じ。
 個人的にはまずまず良かったんじゃないかなーと。「青年の苦悩」といった扱いの難しいテーマもありましたが、それほど浅薄な感じもしなくて、素直に楽しめました。
 ただ、ものすごく秀逸な話ではない、というのも事実なんで、評価は分かれるかなーと思います。
 まぁこの辺はストーリーゲームの宿命ですね。

 ストーリーゲームということで、イベントシーンが非常に多いのですが、1回1回の長さがそれほど多くないため、極端にダレることはありませんでした(まぁ後半はちょっと飽きる部分もありましたが)。

 あとキャラの表現も良かったと思います。
 ヒロインが途中から空気だぞとか、シナリオ後半のボス戦連発はちょっとムリがね? とか、細かい突っ込みどころはいくつかありましたが、そのへんは許容範囲&好みレベル。
 全体で見れば、ストーリー上での描写はもちろん、移動中や戦闘中のちょっとした会話で「キャラらしさ」がよく出されていたと思います。

 セイレンLOVE。まるまるレヴィだろって突っ込みは聞こえない。


 遊び終えて、一番強く感じたのは「ゲームで一本道のストーリーを見せる」ってことの限界でしょうか。

 RPGのように「主人公への没入感が高い娯楽」で、一本道のストーリーを見せるのって、正直辛いと思います。 FF13のときも言いましたが、日本のRPGのように生き方や存在意義といった「テーマ性の強い物語」だとなおさら。
 映画や漫画なら多少自分の考えとズレても客観的に見ていられますが、ゲームになるとそのハードルがぐっと上がる。
 それゆえに、みんなが楽しめる・納得できるストーリーラインづくりって至難の業だと思うんです。

 ラストストーリーでも、主人公が苦悩したり選択したりする場面が多々あるのですが、個人的に明らかに納得できない選択をとられるとイライラしちゃうんですよねw
 せっかくゲームという「インタラクティブ性」のある遊びなんだから、どっちの選択肢も選べるようにしてくれればいいのに、と思わずにはいられません。

 それを選べるようにしてくれたのがバイオのマスエフェとかDAOなワケですが…。
 アレも実は選択は結果に大きな影響を与えないケースが多々あるんですが、仮に結果が同じだとしても、何かを選び、その選択に沿ってセリフを替え、行き着く先は一緒でも経過を少し変化させてくれるだけでも、受ける印象はかなり違うと思うんだけどなー。

 FFみたいなプリレンダでそれをやると、分岐ごとにムービー作るハメになって手間暇お金がかかってしょうがないと思うんですけど、ラスストのようなリアルタイムレンダなら、そこまで(ゲーム製作全体にかかる手間に比べて、という意味ですが)開発への負担をかけないような気もするんだけどな…。

------------・------------・------------・------------

『ラストストーリー』のゲームシステムの大きな特徴は、マップというか一般的なRPGでいうフィールド部分が「拠点となる街」一つだけということ。それ以外の街や国、移動するためのフィールドは一切出てきません。
 ゲーム自体はシナリオの進行にあわせて登場する「神殿」「要塞」「洞窟」などの「ダンジョン」をクリアしていくことで進めます。

 感覚的にはFF13が一番近いかも。

「一度行ったダンジョンには何度でも行ける」「シナリオの合間に街を探索できる」といった違いがあるため、受ける印象はけっこう差がありますが、本質的な部分は同じだと思います。

 ストーリーを見せるためのシステムとしては合理的だなーと思う反面、コレにすると、RPGの醍醐味の一つである「広大な世界を探検する」が無くなってしまうというデメリットもあるんですよね。
 サブイベントも多分それほど多くないと思われ(そこまでやりこんでいないので推定)、仮にあったとしてもメインシナリオの「引き」が強すぎて脱線しにくい。

 つまり「わき道」的な要素が希薄なんです。

 RPGにストーリーを求める人って多いと思うんですけど、同時に「ストーリーだけだと満足しない」って人も多いと思うんですよねぇ…。
 ぶっちゃけストーリーを楽しむだけだったらRPGよりもアドベンチャーとかFPSのキャンペーンモードの方がよっぽど向いている。
 にも関わらずRPGというスタイルが人気あるのは、ストーリーを楽しみつつも、お気に入りのキャラでゲームの中の世界を自分なりに探検したい、そのキャラの活躍を満喫したいって部分が大きいと思うんです。

 ラストストーリーはそれが無い。無いが言いすぎなら少ない。

 このゲーム、サブイベントをガっと増やすだけで大分違ったんじゃないかなー。
 シナリオの構成的に合間にサブクエを絡ませるのは難しいと思うので、例えばシナリオクリア後に、ギルドとかでサブクエを受注できるとか…。それやったら評価がかなりアップしたと思います。ちょっと残念。


 あとはこのゲームは「戦闘シーン」も大きなウリだと思うのですが、そこは概ね良くできていると思います。
 攻撃方法のバリエーションが少ないので、2、3個でいいので必殺技的なアクションを追加してくれるといいのになーと思いますが、RPGの戦闘ということを踏まえ、かつけっこうランダムエンカウントが多いってことも考慮すると、あれぐらいの単純さの方がいいかも。
 戦闘ごとに「天上の岩をボウガンで撃って落とす」とか「橋に魔法ぶっぱなして橋ごと殲滅」なんてギミックも用意することで「作業化」をうまく回避しているのもイイと思います。

 本格的なアクションバトルを期待すると文句をつけたい部分もあるとは思いますが、あれより難しくしたら、それはそれでアクション苦手な人たちから反発があるんじゃないかなー。




 プレイ時間が15時間ぐらいでも構わなくて、坂口さんのゲームが好きな人、日本風イベント進行型RPGが"大"好きな人ならイケるんじゃないかなぁー。

 僕はシナリオ重視RPGはそれほどスキじゃないけど、なかなか楽しめました。友だちに聞かれたら「おもしろかったよ」と答えます。
 一方でややボリューム不足だったり、ストーリーがベタだったりと、「好き嫌いがハッキリする部分」がいくつかあるので、知らない人にオススメするのはちょっと悩みますけど。


 そうそう、WiiのRPGといえば「ゼノブレイド」がありますが、あれとはコンセプトがある意味正反対な印象。ゼノブレイド的なモノを期待して「ラストストーリー」やると落胆で打ちひしがれるかもしれません。

 まぁゼノブレイドよりはキャラ造形がカワイイけどね! ゼノはあのノッペリフェイスでだいぶ損してるよなぁ…。

【おまけリンク】
社長が訊く『ラストストーリー』(任天堂公式)
 インタビュー。坂口さんだけじゃなく、坂口×植松伸夫、坂口×高橋哲哉(ゼノブレイド)、坂本賀勇(メトロイド)なんて組み合わせもあります。
 坂口×高橋対談はRPG好きならかなり楽しめるかと。「日本発のRPGが世界と戦うには」なんてテーマでも語ってます。




以下、ボス戦があまりにもツラかったので文句&攻略。

[ 2011/01/31 20:28 ] ゲームレビュー | TB(0) | CM(9)