PCやスマホで音楽を聴こうとすると、やれ「圧縮音源のビットレート」とか「サンプリングレート」とか、いろいろ技術的な話がでてきます。最近では「ハイレゾ」なんての出てきました。
ヘッドホンやアンプを買うときに、店の人に「無圧縮のハイレゾで聴けるハイレゾ対応が一番いいですよ」などと言われると、じゃあそれにするか…と思ってしまいますが、実際のところファイル形式の違いでどの程度の違いがあるのか、そして自分はそれを聞き分けられるのかは意外と分からないモノ。
というわけで、フォーマットの違う音楽ファイルを聴き比べて、それらの違いを聞き分けられるかどうかをチェックする「音質のブラインドテスト」のやり方をいくつか紹介します。
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Foobar2000を使ったABXテスト
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ABXテストというのは、オーディオのブラインドテストで使われる手法。信頼性が高いそうです。
で、そのテストを、Windowsの定番メディアプレイヤー「
Foobar2000」で行えます。
以下、手順の説明。
1:比較用ファイルを用意する Foobar2000でテストするには、比較用のファイルを用意する必要があります。ちょっと敷居が高いですが、ここを突破すれば後は簡単なので頑張りましょう。
同じ曲で音質が違うと思われるモノならなんでもOKです。
手軽に用意したいなら、CDからWAVをコピって、そのCDをiTuneなどで取り込めばOK。
他に「ハイレゾ音源とCD音源」とか「MP3で128Kbpsと320Kbps」なんてのも可能です。
普段からよく聴いている曲を使うと、実践的な比較ができるかと。
2:FoobarにABXテスト用のコンポーネントを入れる ABXのコンポはデフォルトインストールで入るはずです。
「FILE」→「Preferences」→「Components」を見て、リストの中に「ABX Comparator」があれば大丈夫。
無いときはGoogleで「ABX Comparator」を検索すると、Foobarのコンポーネントページが見つかるので、そこからダウンロード。
Foobarがインストールしてあれば、ダウンロードしたファイルを実行すればインストールしてくれます。
3:用意した2つのファイルをコンポで読み込む 2つのファイルをプレイリストで表示(リストにドラッグ&ドロップでOK)。両方を選択して右クリメニューで「Utilities」→「ABX Tracks...」
4:テストの設定 チェックボックスは基本的に両方外す(サウンドカードの制限などでDSP使わないと音が出ない場合はチェック)。
「Trial Count」は試行回数。多いほど正確になるが面倒になる。10回もやればいいのでは。
「Training mode」は1回ごとに正誤が表示されるモード。手軽に試したいとき用。
「OK」を押してテストスタート。
5:テストを行う まず「Play A」と「Play B」を聴く。
「Play X」と「Play Y」を聴き、右のChoice欄で同じと思う組み合わせを選んでクリック。
下の「Position」でリピート範囲の設定ができるので、分かりやすいところを選ぶのもヨシ。
Trainingの場合、1問ごとに結果と信頼性の目安となるpvalが表示される。
pvalは「適当に答えても当たる率」。この数値が低ければ低いほどよい。
自分が持っている曲を好きな音質で比較テストできるのがfoobarの強みですが、音質の違うファイルを複数用意するのはちょっと面倒。
そんな方は、下の2つのサイトがおすすめ。曲や音質は決まったモノのみとなりますが、ブラウザ上で簡単にテストを行えます。
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mp3ornot.com--------------------------------
昔からある音質テストサイトで、MP3の320Kbpsと128Kbpsで比較テストができます。
最初に320Kと128Kのファイルを聴き、次にどちらかを聴いて、それが320Kか128Kかを当てます。
曲は3曲。2択なので50%は当たります。テストの精度を上げるには、ある程度の試行回数をこなす必要があります。
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TIDAL--------------------------------
ロスレス(無圧縮)のストリーミングサービス「Tidal」の音質テスト。
ロスレス1411KbpsとAAC320Kbpsで曲が流れるので、どちらがロスレスかを当てる。
曲は5曲。これも2択なので50%だと「分かっていない」と同じ。高級耳であることを証明するには最低4問、できれば全問正解。
個人的には、MP3の192Kbpsほどの音質があれば、普段使いには十分な気がします。それ以上の違いはほとんど分からないし、分かっても間違い探しレベル。
ただ、どんどん耳が肥えていったときに「悪い方から良い方へは変えられない」ので、仮に聞き分けられないとしても、可能な範囲で高音質な形式にしておいたほうがよいとは思います。
ちなみに僕はVBRの250Kぐらいで圧縮してます。ホントはロスレスが良いんでしょうが持ち運びに不便なんで…。