「Bioshock Infinite」レビュー:記憶に残り続けるFPSアドベンチャー 

「Bioshock Infinite」をクリアしたのでレビュー。
 ちなみに「Bioshock」シリーズは初プレイです。


 ゲームスタイルはFPS視点のアドベンチャーで、海外では定番のタイプ。
 この手のタイプは「シューター寄り」と「ストーリー寄り」に分かれますが、Infiniteはストーリーに寄りつつ、シューター部分もなかなかしっかりしていて、隙が無い作りです。



 ストーリー重視のFPS/TPSアドベンチャーというと、まっさきに思い浮かぶのは「アンチャーテッド」シリーズですが、あれと比べるとテイストはまるで違います。
 アンチャが「ハリウッド映画的」な面白さだとすると、Infiniteはもう少し文学的。人間の狂気や業といったものがそこかしこに散りばめられている世界からは、アンチャでは感じられない厚みが溢れています。

 一方で、ちょっと重すぎる上に、いろいろと詰め込みすぎたせいで、「入り込みにくい」「分かりにくい」という欠点も。
 スカっと楽しめるアンチャと比べると、テンポの悪さや中だるみが少々あるかもしれません。

 ただ、「Infinite」は、物語が分かりにくいゲームではあるんですが、丁寧な伏線の張り方や、実は緻密に作られている世界設定のおかげで、その分かりにくさを放置したまま遊んでも、あまり気持ち悪くなりません。
 遊んでいるうちに「あぁ、こういうモノなんだな」と腑に落ちてしまうんです。

「分かりにくさ」を、キャラクター描写や演出して世界描写で強引に納得させちゃうのって、実はスゴいことだと思うんですが、それをサラっと実現しちゃっているのが「Infinite」なわけです。

 そして、その「分かりにくさ」は、ゲームのクライマックスで一気に解き明かされていき、衝撃のエンディングへとなだれ込んで行きます。


 エンディングの印象度としては、ここ数年のゲームの中でトップクラス。ていうかトップかもしれん。
(あくまで「印象度」であって、「感動」とは別です)


 正直、終わった瞬間に「これは、日本のゲームメーカーには作れないエンディングだろうなぁ…」と嘆息しちゃいました。
 最近の日本ゲームのシナリオって、キツい言い方をすると「安直」なものが多い気がするんですよねぇ…。それと比べると「Infinite」の物語はすばらしく挑戦的で印象的。


 あえて「アンチャーテッド」と比較するなら、ストーリー展開にハラハラしたり、夢中になって朝まで遊んでしまうのは「アンチャーテッド」ですが、遊び終わった後に記憶に残り続けるのは間違いなく「Infinite」です。
 僕は、クセのあるエンディングが苦手なんですが、「Infinite」のエンディングは、そんな僕でさえ「この物語なら、この終わり方もアリだな」と思ってしまうほどの説得力がありました。


----------------------------------------------------------------------------
 ゲーム的な部分にふれると、装備や特殊能力をアンロックして戦闘力を強化しつつ、FPSで敵を討ちまくるという、シングルシューターとしてはオーソドックスなスタイル。
 特別素晴らしいってほどじゃないですが、丁寧に作られているので、楽しくぶっ放せます。
「良作」って感じ。

 ただ、このゲームは、ライフがゼロになると倒した敵や与えたダメージはそのままでコンティニュー可能、つまりゾンビアタックOKな仕様なんで、正直緊張感に欠けます。
 また、そういったシステムなためか、敵の強さバランスがけっこうザックリ気味の調整なんで、戦いが大味になりがち。
 ゾンビアタックで勝っても達成感に欠けるのですが、かといっていちいち自力でセーブ&ロードを繰り返すのも面倒。結局「なんとなくゾンビアタックでクリアして先に進む」となり、カタルシスに欠けることが何度かありました。
 死んだときは、敵も全快で良かったんじゃないかなー。

 もっと言えば、ゲームのキモがストーリーテリングにあるんで、「撃ち合い」っていう存在自体が邪魔なんじゃね? 邪魔が言い過ぎなら多すぎじゃね? って気もしちゃいましたがw
 アドベンチャーとFPS/TPSは相性いいと思いますが、アドベンチャーとシューターは難しい関係になりがちなんじゃないかなぁ。
 この辺は、FPSとアドベンチャーというジャンルの今後の課題なのかもしれません。



 最後に、ヒロインのエリザベスが「ゲームのキャラ」として魅力的なのも見逃せません。
 ストーリー展開において魅力的なキャラクターとして描かれているのはもちろん、ゲームシステム上の「NPC」としても頼もしいサポーターとして活躍してくれるので可愛さ倍増。

 AIが特別賢いというワケではないのですが、動作パターンのちょっとした工夫や、待機時の動作、そして戦闘中のさまざまな演出によって、抜群の存在感を示してくれます。

 最初はただの「依頼の対象」でしかなかったエリザベスが、ゲームが進むにつれて守るべき大事な存在へと移り変わっていく感覚はなかなか心地よかったです。
 ハリウッド映画的なヒーロー&ヒロイン劇の疑似体験装置としては、過去最高級のデキかもしれません。



 戦闘シーンで敵の死に様がけっこうエグい、ストーリーが複雑なワリに説明が少なめなので置いてけぼりになりがち…など、クセが非常に強いので代金分をドブに捨てる可能性も少なくないですが、反面、記憶に残る名作となる可能性も秘めている1本。

 アクションゲームとしてのFPSシューターや、空中都市コロンビアを思う存分探索したい、といった楽しみ方を期待していると裏切られる可能性が高いです。Infiniteは「ストーリーと世界感を楽しむゲーム」なのです。
 そしてそういったゲームが好きで、トレーラーなどを見て、その「雰囲気」に惹かれたのなら、手を出してみる価値は十分にあると思います。








 次回、ネタバレ込みの感想ネタに続く。
[ 2013/05/07 21:09 ] ゲームレビュー | TB(0) | CM(3)

今年の最高傑作「Bioshock Infinite」PC版は、日本語に完全対応 

 Bioshock InfiniteのPC版をプレイ中です。
 いやー雰囲気がよくて面白いね!
 オールドファッションなアメリカ的風景をのどかに楽しみながら、空中都市を散策してたら、いきな戦闘になって、ゴツイ鈍器で警官ぶん殴ったらグロい死体ができあがってビビりましたがw

 どことなく牧歌的ですらある風景の中に、ときおり狂気がまぜられているミスマッチが、なんとも不思議な感覚で実に面白い。
 こういうの見ると、日本に「大人が楽しめるゲーム」が少ないなぁってことを考えさせられちゃいますねぇ…。

 ちなみに、Metacriticの平均スコアは驚きの95。今年の最高スコアで、2013のGotYはもちろん、今世代のベストバイも狙えるほどの高評価となっております。
海外レビューハイスコア 『BioShock Infinite』

 で、そんなInfiniteですが、PC版は「日本語完全対応」でした。
 僕はGMG(greenman gaming)で売っているモノ、つまり海外で普通に売られているモノを購入したのですが、商品名に(JP)と付いていましたし、インストールしたら当たり前のように日本語で起動しました。
 日本語入りのマルチランゲージ版を世界規模で売ってるって感じかな?
 ありがとう2K Games。
 つかベセスダといい、2kといい、Valveといい、海外メーカーの方が日本ゲーマーに優しい売り方してくれるよなーw

 なお、字幕だけじゃなく、吹き替えもがっつり入ってます。
 街の雰囲気を楽しみたいゲームでもあるので、会話が日本語で聞こえてくるのは嬉しい限り。
 あ、コントローラー操作にも完全対応です。僕はHORIの360コンつなげて遊んでます。

 コンソール版の手軽さも魅力的ですが、PC版の画面の美しさや、設定ファイルをいじることでFOV(視野角)などを広くできてしまう便利さも捨てがたいところ。
 英語が苦手でPCゲームを避けていた方は、InfiniteでPCゲームに触れてみるのも悪くないのではないでしょうか。


 ただし、現在Steamで買うと日本語化できないというウワサもチラホラと…。ゲーム情報には「言語:日本語」とハッキリ書いてあるので、遠からずプレイ可能になるとは思いますが…。
(できた人もいるみたいで、情報錯綜状態です。僕はGMGでキーを買って、Steamでアクティベートしました)

 もともと、Steamはオンラインのゲーム販売サイトとしては、日本ユーザーへの制約が多い、いわゆる「おま国規制」が厳しい部類なので、その辺が関係しているのかもしれません。

 GMGなど、他のサイトの方が値段が安かったり、オマケが付いてくることも多いので、今買うならSteamは避けた方がいいかもしれません。



greenman gaming

Bioshock Infinite(バイオショック インフィニット)
テイクツー・インタラクティブ・ジャパン (2013-04-25)
売り上げランキング: 31

[ 2013/04/26 12:17 ] ゲームいろいろ | TB(0) | CM(0)